Monday, November 6, 2017

hot shoe ふたたび 03完成編

今日で完成編の鉄スリッパ
HOT SHOEを作る話
前回は紙で作った型紙を叩いて曲げて
爪先を作る話で終わったっけ。
多分この爪先を丸くするやり方は
いろいろあると思う。



僕はこの状態から
手とハンマーでさっくり最終到着地点まで曲げてみた。
下の写真がそれね。
形は頂けないけど、とりあえず全体の形はわかるよね。
で、ここから叩いて行く
切れ込みの最後はどうしても尖ってしまうので
当て金(ドリー)をあてて尖った先を均すように
さらに下に行くとせっかく寄せた先が開いちゃうので、
そこをかるく溶接する。
なるべく棒は入れなくて済むくらいきっちり寄せておいて
くっ付けてはまた叩いて寄せてやる。

ここから叩いて行くと下のようになる。

先は丸くなって来たけど足の甲あたりはまだただの筒みたいな感じ。
もちろん実用であればこれで十分
でもここからどれだけきれいな形を作るかが僕の勝負
実用のみならお得な値段でいろいろ出てるよ。
自分のブーツにぴったり合ってきれいな形のヤツが欲しいんだ。


爪先はもちろん、スリッパとの境目もきれいに合うように。
まだ先はシワシワ、甲は筒っぽい
チーター先生は実にいい感じに放っておいてくれるので
とてもやりやすい。
写真も撮ってもらっちゃったりするのである。
どんどん出来て来ると嬉しくてにやけてしまう。
この作業は相当楽しい!

だんだん形が見えて来た!
この後下のスリッパと溶接して
一体化させてビードを削り落としてからまた磨く


スリッパの底にはステライト盛りと言われる
摩擦係数の少ない金属をトーチで溶かしながら盛りつけてやるのだ。
バイスに咥えやすく、反りを防ぐために
鉄の棒を溶接してもらう。


こういう感じね

ここにトーチで溶かしたステライトを盛る

まずチーターの模範演技
スリッパが暖まるまではちょっとコツが要る。
スリッパを熱し過ぎないように
均一に溶けて盛れるように。



僕もやらせてもらう。
おっ!これは楽しい!
僕はかなり好きな作業である。
しかしこれ、ガスを出しっぱなしにして1時間
もう貴金属に近い高価な金属を盛るのである。

全部盛り終わった裏側は酸化皮膜がバリバリ
朝9時に集合してこの時点で夜12時半
チーター先生本当にありがとう!
彼は仕事に対して多くは語らないが作業をしながら彼の哲学と
仕事に対する真摯さを垣間見ることが出来た。
そして造形や作業についていろいろ話を聞くことが出来たよ。
僕は51歳になるし、彼は30代、でも歳って全然関係ない。
少なくとも僕にとって僕より出来る人はみんな先輩だし、
真剣に仕事してる人はみんなすごいところがある。
歳が違うと話が合わない、とか言う人もけっこういるけど
そりゃアイドルとかゲームの話だったらそうかもしれないけど
みんな歳のこと気にし過ぎなんじゃない?
へりくだる必要はないけど、相手に対する敬意の問題だと思う。
ま、品行方正な話ばっかりしてた訳じゃないし、とても楽しかったってこと。


これが盛りつけ終わった底部分
向かって左の一番擦るところは
2重に盛ってある。


家でスコッチとカップブラシを使って皮膜を剥がして
磨いてやる

ペーパーの番手を上げて
ブルーマジックで仕上げる



内側をつや消し黒で塗って
自分のステッカーを貼って完成!
自分で作ったとは思えない素晴らしい出来映えである。
練習が楽しみだな。

あ!ベルトつけるループを溶接するの忘れてた…



No comments:

Post a Comment